筋膜・軟部組織

足関節の捻挫について

今日は足関節の捻挫についてお話しさせて下さい。

足関節の捻挫は、とても一般的な外傷で、特にスポーツや日常動作でよく起こります。

🔹 足関節捻挫とは

足首の関節(距腿関節・距骨下関節)に強い外力が加わり、靭帯が伸ばされたり部分的に断裂するケガ。

最も多いのは 内反捻挫(足首を内側にひねる)。

外側の前距腓靭帯(ATFL)が損傷されやすい。

🔹 症状

捻った直後の痛み・腫れ・熱感

内出血(青あざ)

足を着くと痛む、歩行困難

重症例では関節がグラグラする感覚(不安定感)

🔹 重症度分類(靭帯損傷の程度)

1度(軽度):靭帯が伸ばされた程度。歩行可能だが痛みあり。

2度(中等度):靭帯の部分断裂。腫れ・内出血が強く、歩行困難。

3度(重度):靭帯が完全断裂。強い腫れと不安定性。ギプスや手術が必要なことも。

🔹 応急処置(RICE処置)

Rest(安静):無理に動かさない

Ice(冷却):15~20分冷やす → 1~2時間おき

Compression(圧迫):包帯やサポーターで腫れを抑える

Elevation(挙上):心臓より高く足を上げる

🔹 治療とリハビリ

急性期(1週間程度):安静・固定(テーピングやサポーター)

回復期:可動域訓練(足首の上下運動、距骨モビライゼーション)

慢性期・予防:バランストレーニング(片足立ち、バランスボード)、下腿筋トレーニング

🔹 捻挫と距骨の関係

内反捻挫では距骨が前外方にズレやすい。

そのまま放置すると背屈制限や不安定性が残り、「クセになる」原因。

距骨の矯正や運動療法で正しい位置を取り戻すことが、再発防止につながります。

足関節捻挫と距骨(特に距骨下関節や距腿関節での位置異常)は臨床的に深く関係しています。

1. 捻挫と距骨の関係

**多くの足関節捻挫(特に内反捻挫)**では、

踵が内側に傾き(内反)、

距骨は前外方へ偏位しやすい。

この距骨のわずかな変位により、

足首の背屈制限(つま先を上げにくい)

足関節の不安定感

繰り返す捻挫(慢性足関節不安定症)
が生じやすくなります。

2. 距骨変位が残るとどうなるか

足首をかばって歩くため、膝や股関節・腰に負担が波及。

扁平足や外反母趾、シンスプリントなど下肢障害につながる。

足首の柔軟性が低下し、ジャンプ・ダッシュ動作が硬くなる。

3. 距骨矯正の価値
✅ 矯正を行う意義

捻挫後に残存しやすい「距骨の前方偏位」をリセットできる。

足関節の背屈可動域を改善 → スクワットや歩行がスムーズになる。

足首の安定性を高め、再発予防につながる。

⚠️ 注意点

捻挫直後(急性期)は腫れや靭帯損傷があるため、矯正は行わず安静・固定・アイシングを優先。

矯正は回復期~慢性期に行うと効果的。

徒手矯正は必ず専門家が行うべきで、セルフではバンドを使ったモビライゼーションなどの軽い方法にとどめる。

4. 臨床的に有効なアプローチ

徒手矯正:距骨を後方へ押し込みながら背屈運動を誘導。

運動療法:

ゴムバンドを足首前に引っかけ、後方へ牽引しながらランジ動作。

片足スクワットで足首の可動と安定性を同時に鍛える。

予防的ケア:アーチサポートインソール、足趾トレーニング。

👉まとめ

捻挫と距骨変位は密接に関係し、矯正には再発予防・可動域改善・全身バランス改善の価値があります。

ただし急性期は矯正NGで、専門家の判断のもとで行うのが安全です。

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